高齢婦人向け衣服の設計(第1報) : 身体計測による高齢婦人の体型把握
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概要
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福岡県に在住する60才以上の健康な女子96名を対象に, 昭和56年10月〜11月に, 衣服設計の立場から, 体型把握のための計測を行い次の様な結果を得た。1)女子高齢層と若年層, 中年層とをMollisonの関係偏差折線により比較した結果, 高齢層ほど身長, 後胴高等の高径は減少する傾向にあるが, 胴囲, 腹囲等の周径およびRohrer示数は逆に増大する傾向を示す。2)高齢層のみの特徴として, 胴部前丈が特に小さい値を示すが, 「胴部後丈-胴部前丈」の数値を年齢層別にみたところ, 若年および中年層はマイナス値を示すのに対して, 高齢層はプラス値を示し, 胴部前丈より後丈の方が長くなる傾向にあることがわかった。3)比背丈および身長と背丈との相関を年齢層別にみたところ, 高齢層ほど比背丈の数値は増大し, 身長と背丈との相関は低くなる傾向を示すことがわかった。2)3)の現象は共に高齢層の前屈姿勢と背面の湾曲に起因するものと推測される。最後に, 測定に際し御協力下さった被験者の皆様に厚くお礼申し上げます。
- 福岡女子大学の論文
- 1984-12-25
著者
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山本 昭子
Department Of Clothing Fukuoka Women's University
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山本 昭子
福岡女子大学
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猪崎 典子
福岡女子大学家政学部被服構成学研究室
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児玉 美恵子
福岡女子大学家政学部被服構成学研究室
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