研究報告水稲新奨励品種「はえぬき」について

概要

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米の需給バランスは供給過剰にあり、生産調整が強化の方向にある。本県産米においても、消費者のニーズを把握し、売れる米を作付けし、その評価を高めなければならない。「はえぬき」の奨励品種採用は、「ササニシキ」、「ひとめぼれ」の主な生産地域である本荘・由利地域における、近年の気象変動による品質・食味の変動や販売低迷を克服し、本県産米が多様な消費者嗜好へ対応するために不可避である。この品種の栽培適地は、本荘、由利地域であり、栽培上は倒伏しにくいので窒素肥料のやりすぎによる食味や玄米品質の低下に特に注意する必要がある。「はえぬき」の特性は概ね次のとおりである。1)晩生の短稈偏穂数型品種であり、「ササニシキ」や「ひとめぼれ」より米質が優れ、安定した良質米生産が期待できる。2)稈長が短いため、「ササニシキ」や「ひとめぼれ」より明らかに倒伏抵抗性は強く、安全性が高い。3)食味は「ササニシキ」、「ひとめぼれ」とともに良好である。4)いもち耐病性は穂いもちが「ササニシキ」よりやや強く、「ひとめぼれ」並みの「やや弱」である。傷害型耐冷性は「ササニシキ」より明らかに強く、「ひとめぼれ」同様に「極強」である。
秋田県農業試験場の論文

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