視床ペニシリンてんかんモデルにおける焦点成熟過程と伝播様式に関する検討 : その1.猫を用いた実験モデルの作成
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概要
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ペニシリン(Pc)焦点を猫の視床後外腹側核(VPL)に作成し, 視床焦点成熟過程と視床性巣棘波の伝播様式に関して検討した。視床Pc焦点の成熟過程はstageI(散発的棘波期), stage丑(頻発棘波期), stage III(発作発射期)の3段階に分類でき, stage IIIまでの所要時間は57±39分であった。Pc注入側VPLからの鯨波はまずPc注入側第一体性感覚野に伝播したが, ほぼ同潜時でPc非注入側VPLへの伝播も認められた。Stage IIIのictal stageでは, Pc注入側VPLからの発作発射が両側大脳半球に全汎化しており時にictal stage終了後Pc非注入側VPLを中心に分離現象を認めた。視床性棘波のPc非注入側VPLおよび大脳半球への伝播は脳梁切截後も完全には阻止できず, 視床中間質切截を必要とした。以上の検討より, 猫においては大脳半球間の棘波伝播経路として半球間連絡路のみならず, 視床中間質における両側VPL間の線維連絡路が重要な役目の一端を担っていることが示唆された。
- 1989-10-31
著者
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