HPLC/RIA法によるElマウス脳の生理活性ペプチド(メチオニンエンケファリン)の測定
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概要
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遺伝てんかんモデルのElマウスの痙攣と脳内オピオイド系との関係を明らかにするために, 高速液体クロマトグラフィー(HPLC)とradioimmunoassay(RIA)を組み合わせたHPLC/RIA法で, 交叉物を除いた生理活性ペプチドの脳内メチオニンエンケファリン(ME)をElとその母系であるddYマウスにおいて測定した。Elマウスは, 生後28日から放り上げ刺激を加え, 放り上げ刺激の有無でEl(+)とEl(o)に分けた。El(+)マウスは, 50日から不全発作, 75日以降で強直間代発作を示した。25日では, : ElのME量が海馬と中隔野で, 50日では, 発作間歓期のEl(+)とEl(o)のME量が, 中隔野と大脳皮質でddYに比べて有意に減少した。150日では, El(+)とEl(o)のME量が, 中隔野と大脳皮質と線条体で有意に低下した。Elマウス脳のMEの低下は, これまでに報告したオピオイドδレセプターのup-regulationに対応しており, 内因性MEの減少がElマウスの発作の病因に密接に関与していることを示唆する。
- 日本てんかん学会の論文
- 1991-10-31
著者
-
山上 栄
大阪市立大学医学部神経精神医学教室
-
川北 幸男
大阪市立大学医学部神経精神医学教室
-
片山 雅文
大阪市立大学医学部神経精神医学教室
-
大西 博
大阪市立大学医学部神経精神科
-
小出 誠司
大阪市立大学医学部神経精神科
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