小児科てんかん患者家族における病名告知および学校生活適応をめぐる問題点 : 家族へのアンケート調査より
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概要
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小児科神経外来通院中のてんかん患児(者)家族に対し, アンケートにより病名告知・学校生活上の問題点を調査した。回収例210例の検討で, 最初にてんかんと診断された時には, 何とかして治してあげたいと感じた例が173例(82%)と最も多く, 子供がかわいそうなどの感情は次第に消失する例が多い。病名を本人に告知している例は年長者ほど多いが, 全体では59%が告知しておらず, このうち知らせるつもりがない例も15%に見られた。この病気のための家族の悩みでは, 患者の将来134例(77%)が最多であるが, 兄弟への影響・周囲の偏見などに対する危惧も少なくなかった。学校生活においては, 約1/4に友人関係に問題があり, 学校行事への参加にも問題が認められた。学校に対し病名を通知している例は, 普通小・中・高等学校通学中の患者のうち約1/3だけで, 大半は通知しておらず患者家族の大きな悩みになっていると思われる。
- 日本てんかん学会の論文
- 1991-10-31
著者
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