P8-004 HC gp-39は関節炎においてFoxp3+Tregに発現し抗原特異的Th1およびTh17を抑制する
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概要
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【背景・目的】関節リウマチ(RA)は関節滑膜を主病変とする炎症性疾患であり,自己反応性CD4+T細胞(T細胞)が起点として病態が誘導されると考えられている.GPIはDBA/1マウスに免疫することで関節炎が誘導でき(GIA),transientな関節炎の誘導にはTh1, Th17が,制御にはTregの関与が報告されている.HC gp-39は,好中球,マクロファージなどに発現する分子であり,RAにおいては自己抗原として同定されたが,T細胞での発現および機能は未だ不明である.本検討ではGIAにおけるHC gp-39の発現および機能解析を目的とした.【方法】GIA血清中HC gp-39およびT細胞でのHC gp-39発現を経時的に検討した.次にFACSでTh1, Th17およびTregにおけるHC gp-39発現を比較解析した.また,HC gp-39の機能解析のため,recombinant HC gp-39(rHC gp-39)を用いてT細胞増殖およびIFNγ(Th1)およびIL-17(Th17)産生を検討した.【結果】血清中HC gp-39およびT細胞におけるHC gp-39発現はday7(関節炎早期)で増加を認めた(p<0.05).また,HC gp-39はFoxp3+Tregに高発現を認め,さらにCD25+T細胞からのHC gp-39産生も確認できた.rHC gp-39は抗原特異的T細胞の増殖およびTh1およびTh17からのサイトカイン産生を顕著に抑制した(p<0.05).【結語】HC gp-39はFoxp3+ Tregに局在し,抗原特異的T細胞を抑制することから,病態を負に制御する分子である可能性が示唆された.
- 日本臨床免疫学会の論文
著者
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松本 功
筑波大学人間総合科学研究科先端応用医学専攻臨床免疫学
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住田 孝之
筑波大学人間総合科学研究科 疾患制御医学専攻
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田中 勇希
筑波大学人間総合科学研究科 疾患制御医学専攻
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井上 明日香
筑波大学人間総合科学研究科 疾患制御医学専攻
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梅田 直人
筑波大学人間総合科学研究科 疾患制御医学専攻
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倉島 悠子
筑波大学人間総合科学研究科 疾患制御医学専攻
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川口 星美
筑波大学人間総合科学研究科 疾患制御医学専攻