老老介護世帯における主介護者の生活の質に関連する要因:─中国東北部吉林省 (朝鮮民族・漢民族) の実態調査から─
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概要
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目的 : 近年, 中国は急激な高齢化, 少子化が進んでおり, 老老介護世帯が増加している. 本研究は中国の吉林省の朝鮮民族と漢民族の老老介護世帯の現状を調査し, 習慣と文化が異なる民族間による生活の質に関連する要因を明らかにする.方法 : 横断研究. 対象は中国吉林省の長春・延吉2市在住の60歳以上の老老介護世帯. 生活の質はSF-8を用いた. ステップワイズ法による重回帰分析を行い, 主介護者の生活の質に関連する要因を検討した.結果 : 対象は朝鮮民族51世帯, 漢民族61世帯で, 2民族間で年齢, 男女の割合に差が無く, 両民族とも主介護者は配偶者が多かった. 主介護者の身体的QOLに関連する要因は, 朝鮮民族 : 介護者の主観的健康感・疾患数, 漢民族 : 介護者の主観的健康感・介護期間・地域交流の参加頻度であった. 主介護者の精神的QOLに関連する要因は, 朝鮮民族 : 介護悩み相談頻度, 漢民族 : 冠婚葬祭時の援助・被介護者の教育歴であった.結論 : 両民族とも高齢介護者の良好な健康が身体的QOLを維持するために重要であることが示唆された. 身体的QOL・精神的QOLに関連する要因は民族により異なっており, 民族に適した支援が必要である.
- 一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会の論文
著者
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深作 貴子
筑波大学人間総合科学研究科
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柳 久子
筑波大学
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堀田 和司
茨城県立医療大学 保健医療学部 作業療法学科
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奥野 純子
石岡市医師会病院
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裴 麗瑩
東京大学大学院 医学系研究科
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権 海善
中国延辺大学
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深作 貴子
筑波大学
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堀田 和司
茨城県立医療大学
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