妊娠後期可逆性脳血管攣縮症候群の1 例とマグネシウム治療の考察
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概要
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要旨:症例は30 歳女性,妊娠33 週である.既往歴に片頭痛があった.突然の後頭部の激痛を自覚後,意識低下,左半身の不全片麻痺,左空間無視を認め当院救急搬送となった.搬送時のNIHSS 16 点,頭部MRI で左PCA 領域と海馬,視床,放線冠を含む急性期脳梗塞を認め,頭部MRA では左P2 から末梢が描出されなかった.子癇/子癇前兆に伴うRCVS が疑われた.血圧は正常で尿蛋白を認めなかったが子癇/ 子癇前兆への移行が懸念されたため,子癇/ 子癇前兆での治療に準じMg を20 g/ 日とヘパリンを使用した.意識は清明となり左不全片麻痺は消失したが左視野障害は残存した.のちにP2 以降の描出は認めたが多分節性の血管攣縮を認めた.妊娠満期になり,帝王切開で無事出産した.Mg 高容量での治療は妊娠に伴うRCVS 治療に有効と考えられる.
- 一般社団法人 日本脳卒中学会の論文
著者
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山本 悌司
一般財団法人脳神経外科研究所附属総合南東北病院神経内科
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金子 知香子
一般財団法人脳神経外科研究所附属総合南東北病院神経内科
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Shakespear Norshalena
一般財団法人脳神経外科研究所附属総合南東北病院神経内科
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土屋 真理夫
一般財団法人脳神経外科研究所附属総合南東北病院神経内科
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久保 仁
一般財団法人脳神経外科研究所附属総合南東北病院神経内科
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片山 宗一
一般財団法人脳神経外科研究所附属総合南東北病院神経内科