インスリン療法よりビルダグリプチン内服へ変更した糖尿病を合併する血液透析患者の検討
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概要
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インスリン療法にて血糖をコントロールしている透析患者では, アドヒアランスの低下による血糖上昇, あるいはインスリン過剰に伴う低血糖などがしばしば認められる. これらの患者ではアドヒアランスがよく, 低血糖をおこしにくい経口内服薬が適していると考えられる. この条件に適した内服薬としてdipeptidyl peptidase (DPP)-4阻害薬が最近上市されたが, 透析患者における有用性については不明な点が多い. そこで本検討では血液透析患者において, インスリン療法からDPP-4阻害薬であるビルダグリプチン内服を中心とした内服治療へと変更してその有用性を検討した. 2型糖尿病を合併する血液透析患者21例において, インスリン療法からビルダグリプチンへと変更し, 最長12か月間観察した. グリコアルブミン (GA) は変更前後で悪化は認められなかった. 変更前のインスリン量と変更後の血糖コントロールには相関は認められなかった. ビルダグリプチン単剤使用例では低血糖は認められなかった. 血液透析患者では血糖コントロールが悪化することなく, インスリン療法からビルダグリプチン内服へ変更しうることが示唆された.
著者
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岩田 恭宜
金沢大学附属病院
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北島 信治
金沢大学附属病院
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和田 隆志
金沢大学附属病院
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篁 俊成
金沢大学附属病院内分泌代謝内科
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越野 慶隆
みずほ病院内科
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黒川 幸枝
みずほ病院内科
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加藤 健一郎
金沢大学附属病院内分泌代謝内科
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