Glenn手術後の呼吸循環管理にairway pressure release ventilation（APRV）が著効した一例

概要

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陽圧式人工呼吸管理と比較して，Glenn手術やFontan手術後の肺体直列循環におけるairway pressure release ventilation（APRV）の優位性が報告され始めている。症例は4ヵ月男児で，生直後に無脾症候群，総肺静脈還流異常症と診断し，生後3日に総肺静脈還流異常症修復術，生後3ヵ月でGlenn手術を行った。上大静脈圧は19 mmHgと高値で静脈間副側路が発達したため，人工呼吸器から離脱困難な状態が1ヵ月以上続いた。自発呼吸により胸腔内に陰圧を作りだすことで，肺動脈血流が増加することを期待してAPRVを開始したところ（FIO2 0.8, T high 2.5 sec，T low 0.5 sec，P high 15 cmH2O，P low 0 cmH2O），速やかな上大静脈圧の低下（19から14 mmHg），および酸素化の改善を認めた。APRVを開始して4日後に（FIO2 0.5, T high 2.2 sec，T low 0.3 sec，P high 6 cmH2O，P low 0 cmH2O）呼吸器から離脱した。APRVはGlenn術後患児において，選択肢の1つとなり得る。