ヒト毛組織の立体構造の研究―トリプシン・塩酸変法の応用―
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概要
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ヒト毛組織の立体構造を検討する目的で,ヒト頭皮をトリプシン・塩酸法に超音波洗浄を加えた変法にて処理し走査電顕的に観察した.本処理を加えることにより,真皮内に埋没していた毛組織が露出され良好な立体像が得られた.とくに毛乳頭に蓋をする形で認められる基底床(basal plate),下部毛包を取り巻く結合織性毛包,その中で分岐する毛細血管網,毛球部細胞の個々の形態,表面に多数の微絨毛状の小突起を有する外毛根鞘細胞,角化し樹皮状を呈する内毛根鞘細胞の表面構造など初めて立体的に観察され,本法は毛組織の構造を理解する上で有用と考えられた.
- 公益社団法人 日本皮膚科学会の論文
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