骨髄転移をきたした基底細胞癌の1例
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概要
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骨髄転移をきたした基底細胞癌の1例を経験した.症例は40歳男,昭和49年8月初診.その7年前に紅斑性丘疹が左鼻翼部に出現,少しずつ増大し,結節状となり,中心が潰瘍化し,初診時には左鼻翼欠損を呈するにいたった.病理組織的には solid type から, sclerosingtype を移行を示す型であり,浅層は solid ype,深層は sclerosing type であった.反応性浸潤細胞はなかった.治療としては一次的に鼻翼を含め潰瘍部を切除し, 5Fu 勤注,ライナック照射後さらに左上頭切除が行われた.3年後,鼻翼形成の目的で入院したが,末血中に異型細胞が出現,白血病様反応を疑い骨髄穿刺を行ったところ無効穿刺であった.右腸骨稜から生検を行ったところ,基底細胞癌の転移を認めた.組織的には原発巣の一部に類似し, sclerosing type であった.免疫療法を行ったが,病状は悪化し,昭和53年6月21日死亡した.剖検は行い得なかった.
- 公益社団法人 日本皮膚科学会の論文
著者
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安瀬 正紀
横浜市立大学医学部病院形成外科
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安瀬 正紀
横浜市立大学医学部形成外科
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亀田 洋
浜市立大学医学部皮膚科学教室
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内山 光明
浜市立大学医学部皮膚科学教室
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永井 隆吉
浜市立大学医学部皮膚科学教室
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中嶋 弘
浜市立大学医学部皮膚科学教室
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近藤 ふみ子
横浜市(開業, 皮膚科)
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