マウス表皮におけるsunburn cell形成の定量的研究 -特に波長間相互作用について-
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概要
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紫外部単色光による sunburn cell (SC) 形成を,マウス表皮剥離標本を用いて定量的に検討した.照射にはキセノンラソプ(2KW)と回折格子モノクロメーター組み合わせ単色光源を用いた.単色光は dd-Y 系マウスの耳背面に照射し,表皮剥離標本 (NaBr剥離,HE 染色)を作製し,単位細胞数あたりの SC 数をかぞえた.結果 :① SC 形成の作用波長は 300nm より短い波長域にあった. ②UVA (360nm)の大量照射にも SC 形成能があり,それは UVB(300nm) の約1 /600と推定された. ③UVB (300nm),UVC(260nm)では SC 数は照射量に対して対数比例に類似したパターンを示して増加した.④経時的変化では SC 形成のピークは,それぞれ UVA(360nm)で照射後30時間に, UVB(300nm) で24時間後に,UVC(260nm)では18時間後にみられた.⑤UVA(360nm)の大量照射は, UVB(300nm),UVC(260nm) と重複照射した場合,それぞれの単独照射による SC 形成を有意に増強した.
- 公益社団法人 日本皮膚科学会の論文