悪性黒色腫に対するツべルクリン活性蛋白質局注の効果 第1報 可移植性マウスメラノームでの検討
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概要
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強力な遅延型皮膚アレルギー反応惹起力を有する tuberculin-activeproteirv(KT) を2種類の可移植性 mousemelanoma (mm) の腫瘍内へ局注して,その腫瘍の増大にご及ぼす影響を検討した.あらかじめ結核菌で感作した C57BL/6 マウスの皮下に B16mm を移植し,略大豆大に増殖した時点から1回量 100ng の KT を3~3日間隔で計10回,腫瘍内へ局注したところ B16mm の増大が有意に抑制され,4匹中2匹では腫瘍が完全に消失した.同様の実験を ddマウス-Harding-Passey mm の系においても実施し,1回量40ngの KT を計5回局注したところ,腫瘍増大の抑制傾向がうかがわれたが,統計的に有意差は認められなかった 結核菌感作マウスの mm に KT を局注した後の組織像では,腫瘍細胞の変性像と胞巣内外の浮腫および好中球・リンパ球の浸潤がみられた.この KT 局注による mm の退縮機序について検討を加え,局所でのツベルクリン反応(遅延型アレルギー反応)に腫瘍細胞が巻き込まれて傷害される免疫学的に非特異的な作用が,その主体であろうと考えた.
- 公益社団法人 日本皮膚科学会の論文
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