ヒト皮膚プロテオグリカン―セシウムクロライド密度勾配遠心より見たヒト皮膚プロテオグリカンのHeterogeneityについて―
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概要
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ヒト皮膚プロテオグリカンは,4Mグアニジン塩酸存在下セシウムクロライド密度勾配遠心により, heterogeneous な分画バターンを示す.このヒト皮膚プロテオグリカンのheterogeneity を更に詳しく追求する目的で,ヒト皮膚プロテオグリカンと共に,標準グリコサミノグリカン及びヒト皮膚グリコサミノグリカンについてもセシウムクロライド密度勾配遠心を行い,比較検討した. グリコサミノグリカンのセシウムクロライド密度勾配遠心では,標準グリコサミノグリカンは硫酸基の多い順に,すなわちヘパリンが最もbottom 側に,デルマタン硫酸,コソドロイチン4および6硫酸がヘパリンに次いで bottom 側に分画され,ヒアルロン酸は中央の画分に分画された.ヒト皮膚グリコサミノグリカンを, DEAE セルロースカラムで分画して得られたヒアルロン酸の多い 0.4M NaCl 画分,デルマタン硫酸の多い 0.7M NaCl 画分は,それぞれ標準ヒアルロン酸,デルマタン硫酸とほとんど同様の分画パターンを示した. プロテオグリカンは,その多糖鎖部分であるグリコサミノグリカンのセシウムクロライド密度勾配遠心分画パターンとは著しく異なり,プロテオグリカンとしての特徴ある分画パターンを示した. 以上のことから,ヒト皮膚プロテオグリカンのセシウムクロライド密度勾配遠心における heterogeneity は,その多糖鎖部分の硫酸化の程度や protein core の性質,あるいは他の高分子との相互作用などの影響の結果であろうと推測される.
- 公益社団法人 日本皮膚科学会の論文
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