DPP-4阻害薬シタグリプチンの長期的効果と安全性に関する報告
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概要
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本研究の目的は,DPP-4阻害薬シタグリプチン(S)の長期的な効果と安全性を調査する事である.2型糖尿病患者181例において,S開始後24か月後までHbA1c値の有意の低下を維持していた(7.54±0.99→6.77±0.8 %, P<0.0001).24か月間のHbA1c低下作用は,開始時のHbA1c値が高い症例(P<0.0001)や糖尿病罹病期間が短い症例(P<0.05)においてより顕著に認められた.また44例(24 %)においてS開始後6か月以降にHbA1c 0.5 %以上の再上昇を認めたが,再上昇には体重増加(P<0.01)や内因性インスリン分泌能の低下(P<0.05)が関与していた.S開始後12例に低血糖を認めたが重篤ではなく,6例に消化器症状を認めた.体重増加例や内因性インスリン分泌能が低い例ではHbA1c再上昇に留意する必要があり,さらなる療養指導が重要であると考える.
- 一般社団法人 日本糖尿病学会の論文
著者
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山田 研太郎
久留米大学 第4内科
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中山 ひとみ
久留米大学医学部内科学講座内分泌代謝内科部門
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田尻 祐司
久留米大学医学部内科学講座内分泌代謝内科部門
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工藤 孝文
地方独立行政法人筑後市立病院内分泌代謝内科
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加藤 奈緒香
久留米大学医学部内科学講座内分泌代謝内科部門
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蓮尾 理香
地方独立行政法人大牟田市立病院内分泌代謝内科
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吉信 聡子
医療法人社団慶仁会川崎病院内科
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香野 修介
平井内科
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