中枢性塩類喪失症候群を呈した急性辺縁系脳炎の1例
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概要
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症例は36歳の女性である.精神症状にて発症した.髄液検査にて細胞数と蛋白の上昇をみとめ,臨床経過から辺縁系脳炎と診断した.経過中に著明な低Na血症をみとめ水分制限をおこなったが改善せず,Naと水分の補充により低Na血症の改善をみとめ中枢性塩類喪失症候群(cerebral salt wasting syndrome; CSWS)と診断した.中枢神経疾患にともなう低Na血症においてはADH不適合分泌症候群(syndrome of inappropriate secretion of ADH; SIADH)とCSWSの鑑別を念頭に置くことが重要であると思われる.
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