高濃度アミノ酸負荷により改善が認められた片腎の褥瘡症例
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概要
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片腎の褥瘡例に、アルギニン (以下、Argと略) 、グルタミン (以下、Glnと略) 、及びβ-hydroxy-β-methylbutyrateが配合された食品 (以下、Arg/Gln/HMBと略) を使用した高濃度アミノ酸の負荷による栄養療法を行った。なお、血清クレアチニン (以下、Creと略) 、血中尿素窒素 (以下、BUNと略) に加え、窒素出納 (以下、NBと略) を参考にアミノ酸の負荷量を調整した。 症例は63歳、女性。仙骨部の褥瘡。Arg/Gln/HMB;48g/dayの負荷を開始したところ、NBは負、BUNは高値を示した。24g/dayに減量しエネルギーを増量した後は、NBは正に転じ、BUNは正常化した。負のNBとBUNの高値は、ArgとGlnの過剰負荷によるものと推察された。また、NBとBUNは必須アミノ酸の補充、褥瘡の状態の変化によっても変動した。栄養療法の期間中、Creの上昇を伴わず、褥瘡の改善 (DESIGN-R;30→15点) が認められた。Arg、Glnの負荷を長期的に安全かつ効率的に行うためには、NBやBUNなどの指標による病態に応じた負荷量の調整、必須アミノ酸の補充および非たんぱく質エネルギー窒素比の見直しが重要であった。
著者
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藤原 彰
独立行政法人国立病院機構南九州病院栄養管理室
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畑田 万紀子
独立行政法人国立病院機構熊本再春荘病院
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野上 玲子
独立行政法人国立病院機構熊本再春荘病院 褥瘡対策チーム
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松永 直子
独立行政法人国立病院機構熊本再春荘病院 栄養サポートチーム
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祁答院 知佳
独立行政法人国立病院機構熊本再春荘病院 栄養サポートチーム
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井上 祥子
独立行政法人国立病院機構熊本再春荘病院 栄養サポートチーム
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勝木 信敬
独立行政法人国立病院機構熊本再春荘病院 褥瘡対策チーム
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森 由紀子
独立行政法人国立病院機構熊本再春荘病院 神経内科
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石﨑 雅俊
独立行政法人国立病院機構熊本再春荘病院 栄養サポートチーム
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蛯原 賢司
独立行政法人国立病院機構熊本再春荘病院 栄養サポートチーム
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藤原 彰
独立行政法人国立病院機構熊本再春荘病院 栄養サポートチーム
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