末期腎不全患者の重症虚血肢に対する鼠径部以下外科的血行再建術の中期成績
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
末期腎不全患者に合併した重症虚血肢に対する鼠径部以下血行再建の有用性を検討した.2007年4月より2011年3月までに当科において鼠径部以下に外科的血行再建術を行った重症虚血肢(CLI)210肢を対象とし,透析患者(ESRD群:103例126肢)と非透析患者(非ESRD群:75例84肢)を比較検討した.ESRD群で虚血性心疾患を多く合併していた.術死をESRD群の11%,非ESRD群の2%に認め,2年生存率はESRD群44%,非ESRD群70%といずれもESRD群で不良であった.死亡原因の多くは動脈硬化や感染症が関連していた.2年救肢率はESRD群86%,非ESRD群91%で有意差はなかったが,ESRD群の5肢と非ESRD群の1肢は感染制御不能のために大切断となった.CLIを合併したESRD患者の生命予後はとくに不良であり,併存疾患の充分な評価と管理,創傷処置の工夫により,治療成績の改善を図っていく必要があると考えられた.
- Japanese Society of Limb Salvage and Podiatric Medicineの論文
Japanese Society of Limb Salvage and Podiatric Medicine | 論文
- Total Contact Cast を応用した術後早期リハビリの取り組み
- 再生医療の実用化について
- 視点—多方向からのアプローチこそ 下肢救済・足病学会の神髄—
- これからの末梢循環障害に起因した下肢切断者のリハビリのあり方
- 末期腎不全患者の重症虚血肢に対する鼠径部以下外科的血行再建術の中期成績