水平配向および垂直配向ネマティック液晶中のダイレクタ再配向におけるフロー効果
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概要
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ネマティック液晶セルにステップ電圧を印加すると、ダイレクターの回転に起因した過渡電流が流れる。本報告では水平配向および垂直配向セルを流れる過渡電流の実験結果とともに各配向セル内で発生するフローが過渡電流に与える影響について考察する。誘電率異方性が正および負のネマティック液晶としてそれぞれZLI-2293、MLC-2039 (メルク株式会社) を用いて水平配向および垂直配向セルを作製した。液晶セルを流れる過渡電流は過渡電流測定装置(TCM-1,東陽テクニカ)を用いて測定した。水平配向セルの過渡電流は電流がピークをとる時間に対して対称な波形になるのに対し、垂直配向セルの過渡電流は非対称な波形となった。EricksenとLeslieの式を用いて、水平配向セルおよび垂直配向セルに流れる過渡電流を数値計算し、各配向セル内で発生するフローが液晶の電界応答に与える影響を調べた。またフローの境界条件として、液晶分子が基板上で自由に動く場合(free-slip)と固定されている場合(no-slip)を考慮した。水平配向セルでダイレクターはフローの影響を受けないことがわかった。それに対して垂直配向セルではフローの影響およびfree-slipによりダイレクターの回転が加速されることがわかった。
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