慢性腎臓病 (CKD) 患者への歯科薬物療法—薬物動態学的考察—
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概要
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慢性腎臓病 (chronic kidney disease: CKD) は罹患率が高く, 薬物の重要な排泄経路である腎臓の機能が低下した患者に歯科医師が抗菌薬を処方する機会も少なくないと思われます. ペニシリン系やセフェム系などのβラクタム系抗菌薬は歯科医師が処方することが多い薬物で, アレルギー性の副作用には常に気をつけているが, βラクタム系抗菌薬の多くが腎排泄型の薬物であるため, 半減期が延長しているCKD患者では減量が必要な薬物であることを認識している歯科医師は多くないと思われます. 腎排泄型薬物を半減期が延長しているCKD患者に健常者と同じように反復投与すると, 定常状態における平均血漿中薬物濃度 (Cssave) は高くなりすぎます. 腎機能が低下したCKD患者に対しては血清クレアチニン値 (Ccr) などから腎機能を評価して, 薬物動態理論に基づいた補正係数を用いることにより, 患者の腎機能に応じた薬物投与計画を立てることができます. また, 患者のCcr値から腎機能を評価して, 腎機能状態別の腎機能低下時の抗菌薬投与量一覧表で適切な用量・用法を知ることもできます.
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