昭和大学藤が丘病院および藤が丘リハビリテーション病院における口腔ケアセンター活動とその効果について
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概要
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昭和大学藤が丘病院における昭和大学口腔ケアセンター活動は,2008年9月の心臓血管外科における口腔ケアクリニカルパスの運用から本格的に開始され,現在は全病棟を対象とした活動を行っている.同様に,藤が丘リハビリテーション病院では,2009年12月に口腔ケア回診のトライアルを開始し,現在では全病棟の入院患者を対象として活動を継続している.本研究では,両施設において口腔ケアセンターが2008年度から2010年度までの期間に介入した患者250名を対象に,口腔ケアクリニカルパス適用群,非適用群,リハビリテーション病院群の3群に分けて臨床検討を行った.いずれの群も女性より男性の割合が高かった.平均年齢は,リハビリテーション病院群が最も高く,次いでパス適用群,非パス適用群の順であった.平均介入回数は,いずれの群も3回前後であった.非パス適用群の主疾患は循環器系疾患だけでなく,悪性腫瘍,呼吸器疾患,脳血管疾患と多岐にわたっていた.藤が丘病院の Intensive Care Unit (ICU)における人工呼吸器関連肺炎(VAP)サーベイランスデータの VAP 発生率は,口腔ケアセンター活動が開始された2008年度以降減少していた.藤が丘病院と藤が丘リハビリテーション病院は,急性期医療と統合的リハビリテーション専門医療を担う横浜市北部地域の中核的医療施設である.当口腔ケアセンターの特徴は,異なる医療サービスを展開する両施設で活動することにある.口腔ケア回診対象者数は,年々増加しており,今後は退院後の患者のフォローアップをより強化するため,地域医療機関との連携を進める必要があると考えられた.
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