インプラントの直径が最大耐荷重におよぼす影響
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概要
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近年, 様々な直径の歯科インプラントが臨床で用いられている. インプラントの直径が大きいほど大きな咬合荷重を負担できると考えられるが, 定量的には明らかとなってはいない. そこで上部構造に咬合荷重が加わり, 補綴用スクリューおよびアバットメントスクリューが破壊される際の荷重を最大耐荷重とし, 引張試験によって各スクリューの破折強度を求め, 幾何学解析を用いて, インプラントの直径が最大耐荷重におよぼす影響を明らかとすることを目的とした. チタン合金と金合金の補綴用スクリューとチタン合金のアバットメントスクリュー (ノーベルバイオケアおよび3i) の破折強度を万能試験機により計測した. 次にインプラントの上部構造 (咬頭傾斜角度30°) を想定し, 計測した破折強度を用いて幾何学解析を行い, インプラントの直径, ナロー (NP), レギュラー (RP), ワイド (WP) が最大耐荷重におよぼす影響を解析した. その結果, スクリューの破折強度は, スクリューの断面積が大きくなるのにともない増加し, 補綴用スクリューにおいてはチタン合金が金合金よりも大きかった. 補綴用スクリューの最大耐荷重は, アバットメント上面の直径が大きくなるのにともない増加し, チタン合金が金合金よりも大きかった. アバットメントスクリューの最大耐荷重は, インプラント体上面の直径が大きくなるのにともない増加し, アバットメントの高さが高くなるのにともない減少した. またノーベルバイオケアのNPではアバットメントの高さが1 mm以上, RP, WPでは2 mm以上の場合において, 補綴用スクリューの最大耐荷重よりもアバットメントスクリューの最大耐荷重の方が小さかった.
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Showa University Dental Society | 論文
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