利便施設の住宅地への混在に関する居住者の心理的評価
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概要
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本研究は、都市のコンパクト化に関わる重要な要素である用途混合について、利便施設の住宅地への混在についての心理的評価という視点からその特徴を明らかにした。各目的での外出行動の移動距離が長いほど、移動行動に対する満足度が低い傾向にあるが、距離が与える影響の強さは外出目的により異なり、通勤・通学、通院においてその影響が大きく、買物、散歩、公園については影響が小さい。また、移動距離および移動満足度は、利便性の面での居住満足度と正の相関関係にある。対照的に、各用途施設の住まい周辺への混在に関しては、住宅・居住属性や物的環境よりも、個人の価値観の影響の方が強く、利便性の面での居住満足度が高い人ほど、用途混在への許容度が高いことも明らかとなった。これより、利便性に不満を感じる居住者が、当該用途の住まい周辺への混在を望むわけではないことがわかる。これらの結果は、コンパクト化および機能の集中を生活利便性の向上という視点からのみ進めることは、居住者の心理的抵抗を受ける可能性があり、用途混合に対する受容性を、居住者の価値観という心理的側面を考慮に入れながら判断することが重要であることを示している。
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公益社団法人 日本都市計画学会 | 論文
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