津波避難時の避難開始時刻に与える事前行動の影響分析:東日本大震災における陸前高田市での避難行動を対象として
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概要
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本研究は,避難開始までの行動と避難開始時刻との関係を明らかにすることを目的とする. 東日本大震災時の陸前高田市における避難行動データを用いて,避難開始前の他者支援や情報収集行動等の行動やその連なり(トリップチェーン)と移動開始時刻・避難開始時刻・避難完了時刻との関係に関する分析を行い,避難以外のトリップを行っている場合は避難のみを行っている場合と比べて,移動開始時刻は地震後10分以内に開始しており,かなり早いものの避難開始は遅くなること,車を運転して複数のトリップを行っている場合に避難開始が遅くなることを明らかにした.次に,避難開始時刻と事前行動の関係性の分析のため,ワイブル分布によるハザード関数を用いたパラメトリックなDuration modelを構築した.推定結果から他者支援行動の実施や海からの距離が遠い場合,男性の場合,トリップ数が多い場合に避難開始時刻が遅くなることを明らかにした.
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