都市における居住満足度の評価構造に関する研究:居住属性、価値観、物的環境との関係から
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概要
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本研究は、都市の居住満足度について、東京都・柏市の居住者9,423人を対象にアンケート調査を行い、居住属性、個人の価値観、物的環境との関係を調べた。居住属性の影響としては、伝統的持家ファミリータイプの居住者は、教育環境を重視、住居系・農業系地域に居住、父母・兄弟と同居、安全・環境・教育面での居住満足度が高い、居住年数が長い傾向にあることがわかった。物的環境の影響としては、高密・商業系地域での利便性の満足度、および住居系地域での安全・環境面での満足度が高いことが示された。また、農業系地域では環境面での満足度は高いが利便性の満足度は低く、工業系地域では安全・イメージ面での満足度が低くなっている。全般的に、居住満足度に対しては、物的環境よりも個人の価値観が与える影響の方が大きいという結果が得られ、伝統的価値観の高い居住者は、満足度が高い傾向にある。本研究の結果から、居住属性や物的環境が居住満足度に一定の影響を与える一方で、個人の価値観がより強い影響をもつことが示された。これより、従来型の集団規定だけでは多様な居住者の満足度向上に十分寄与せず、価値観を考慮に入れた計画手法が今後必要と言える。
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公益社団法人 日本都市計画学会 | 論文
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