異質性を考慮した滞在時間と消費金額の同時決定モデルによる観光行動分析
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概要
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観光行動とは、目的地、交通手段、利用経路、滞在時間、消費金額等に関する複数の選択行動で構成される多次元選択行動である。すなわち、1つの行動変化が他の行動変化を引き起こす相互依存性が存在すると考えられ、旅行者はこれらの複数の選択行動を同時に考慮しながら観光行動を決定している。一方で、自家用車の普及、ならびに道路整備の充実により、人々の活動範囲は時間的にも空間的にも広がりを持つようになった。これに伴い、各個人がそれぞれ持つ価値観を反映した観光行動を行うことが可能になり、観光行動は多様化していると考えられる。本研究では、多次元選択行動である観光行動のうち、滞在時間と消費金額に着目し、行動間の相互依存性を2変量生存時間モデルによって表現するとともに、潜在クラス手法による観光行動の異質性を表現できる分析手法の提案を目的とする。2007年に鳥取県への旅行者を対象に実施されたアンケート調査データを用いた実証分析の結果、本提案手法の有効性が示されるとともに、滞在時間と消費金額の間の相互依存性や異質性を考慮しない従来の分析手法では、誤った行動解釈を引き起こす可能性があることが示された。
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