ヒートアイランド緩和効果からみた環境指標としての緑被率の有効性
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概要
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本研究では、今日都市計画の現場で多く用いられている緑被率という指標が、ヒートアイランド緩和効果を評価する際に有用かどうかを評価することを目的に、3D-CADを用いて建築物や緑被を含む詳細なスケールで市街地を再現し、熱環境シミュレータを用いて熱環境を評価し、実在市街地の緑被のヒートアイランド緩和効果を分析した。その結果、グロス容積率が高くないつくば市地区や柏市地区では緑被率とヒートアイランド緩和効果の相関が高かったことから、緑被率を開発の際に一つの指標として用いることは妥当であること、一方でグロス容積率の高い東京都港区のような高密市街地では、緑化が必ずしもヒートアイランド緩和機能を発揮していない街区、隣接する建物の日射遮蔽により元々緑化しなくてもヒートアイランドを引き起こす顕熱負荷が低い街区が存在することにより、緑被率とヒートアイランド緩和効果の間には相関が弱かったことが示された。以上から、分析対象とした港区地区のような市街地では、緑化基準の柔軟な対応と、個別の場所における緑化による環境改善効果をシミュレーション等を用いて予測評価することが必要であることが示唆された。
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