緑地が持つ気温低減効果の評価に向けた緑地指標に関する研究
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概要
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本研究は、気温に対する説明力に優れた緑地指標について検討し、気温低減効果の観点で緑化施策の評価を可能にする緑地指標の獲得、並びに効果的な緑地整備に向けた知見の獲得を目指した。手法の選択にあたり、様々な要因から形成される気温を緑地指標のみで説明することへの懸念から、統計的に有意なレベルで関連性の強まる条件(季節・時間帯、距離範囲)を特定し、その条件下での緑地指標と気温との関連性について分析した。具体的には、東京23区内の14の気温測定地点を対象に、測定点からの距離範囲別に数値化した緑地指標(A樹冠面積、B樹木体積、C自然的土地被覆)と、5年間の観測記録を各月の時間帯ごとに集計した気温との相関関係を分析した。結果、気温に対して説明力が強い緑地指標や、その関連性の強さは季節・時間帯、距離範囲より変化することが示された。さらに、夏の日中を中心にB樹木体積の、日没時間帯にはC自然的土地被覆の説明力が強いことが分かり、A樹冠面積は他の2指標と比較して説明力が弱いことが分かった。このことから、気温低減効果の評価に資する緑地指標として、B樹木体積とC自然的土地被覆の有用性が高いという結論が得られた。
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公益社団法人 日本都市計画学会 | 論文
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