都市住民による農作物栽培活動の実施と食生活の質との関連:都市近郊のフードデザート問題解決への「農」からの貢献の可能性
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概要
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都市縮小、高齢化の過程のなかで、日本の都市でも「フードデザート問題」が発生することが懸念されている。フードデザート下では、栄養価の高い生鮮食品の入手が困難になることから、住民、特に高齢者の低栄養を招く可能性があるとされる。この問題に対し、本研究は、都市住民による身近な農作物栽培活動を通じた貢献の可能性を検討した。千葉県柏市の1612名を対象とした質問紙調査の回答を分析した結果、以下の点が明らかとなった。1)現状で何らかの農作物栽培活動を行う都市住民は3割強存在し、興味を持つ者は4割程度存在する。2)都市住民の農作物栽培活動の実施は、野菜の入手機会を拡大させることだけでなく、近隣住民とのつながりを強化することによって、都市住民の食生活の質を向上させる。3)農作物栽培活動の実施と食生活の質との間の正の関連は、高齢者においても確認される。これらのことから、都市住民の農作物栽培活動の実施がフードデザート下で生じる問題の解決に役立ちうると考えられた。
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