コンポスト肥料中に残留する合成香料関連化合物の検出
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
増大する有機廃棄物を資源としてリサイクルし、農地などへ還元・活用するシステムとして堆肥化(コンポスト)が注目されている。そのなかで下水汚泥のコンポスト化は今後、ますます増加すると考えられる。 一方で、パーソナルケア製品に頻用されている合成香料が下水汚泥に高濃度で検出されることが報告されている。そのため、下水汚泥由来のコンポスト肥料中の合成香料の残留性が懸念される。今回、合成香料である6-acetyl-1,1,2,4,4,7-hexamethyl tetraline(AHTN)、1,3,4,6,7,8-hexahydoro-4,6,6,7,8-hexamethyl cyclopenta-γ2-benzopyran(HHCB)、HHCB の代謝物HHCB-lactone並びに[1,2,3,4,5,6,7,8-octahydro-2,3,8,8,- tetramethyl naphtalen-2yl]ethan-1-one (OTNE) の下水汚泥由来コンポスト肥料における残留性を調査した。その結果、 コンポスト肥料から、N.D.~5.3 mg AHTN /kg、N.D.~4.2mg HHCB /kg、N.D.~14.2 mg HHCB-lactone /kg、 N.D.~2.1 mg OTNE /kgで検出された。このことから、下水汚泥に高濃度で蓄積した合成香料は下水汚泥を原料としたコンポスト肥料に高濃度で残留することが示された。この結果よりコンポストの製造過程においてもこれらの合成香料等が除去されず、下水汚泥の再利用による土壌環境汚染が憂慮された。
- 大学等環境安全協議会の論文
大学等環境安全協議会 | 論文
- 実験排水中に溶存する揮発性有機化合物の曝気除去プラントの設計指針
- 大学における検知管法による作業環境測定とリスク管理に関する研究
- 分岐型ノニルフェノール異性体のGC/MS分析法の検討
- ポーチュラカ(Portulaca oleracea)によるビスフェノールA関連化合物の分解
- リン酸カルシウムのナノ表面反応を用いた廃水および石こう中フッ素化合物の処理