看護における徳の倫理の意義
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概要
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徳の倫理と原則の倫理は,看護・医療の倫理における最も主要なアプローチである.原則の倫理は行為を,徳の倫理は行為者の性格や態度を吟味し,これらは互いに補いあって機能する.徳の倫理は,1970年代の原則の倫理台頭で衰退したが,最近の海外文献はその復興を示している.日本では,医学上の問題や原則の倫理が,看護倫理教育の中心であると報告されており,徳の倫理への関心は高くない.それは,専門職としての看護の発展を妨げていた,かつての徳の倫理への記憶が今に影響しているためかもしれない.本稿は,徳の倫理に新たな光を当て,看護におけるその重要性を述べる.著者らの研究知見を用いつつ,次の点を強調する:1)時代の求めとともに変容する看護師の徳・資質探求の重要性,2)看護実践の状況・文脈および看護師の語りは,徳の倫理の教材として有用であること,3)徳の倫理の看護師への文化的適合性,および4)看護倫理教育における対話の重要性.
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公益社団法人 日本看護科学学会 | 論文
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