肺静脈隔離後の再発の機序として上大静脈内高頻度興奮が示唆された発作性心房細動の2例
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概要
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上大静脈(SVC)は,非肺静脈起源の心房細動(AF)の成因として重要な役割を果たす.われわれは,初回の肺静脈隔離(PVI)後にAFが再発,その原因としてSVCの関与が考えられた発作性心房細動(PAF)の2症例(AF1,AF2)を経験したので報告する.AF1は50歳代,男性.PAFに対するPVI後,約1カ月で再発,5カ月後に2回目のPVIを行った.AF2は50歳代,女性.同じく6カ月後に再発,8カ月後に2回目のPVIを行った.AF1は肺静脈の再伝導を認めず,AF2は右肺静脈にわずかに再伝導を認めた.<BR>両者は肺静脈再隔離後も依然AFが誘発可能でSVCの電位を確認すると,100~170msec程度の高頻度興奮を認めた.SVC隔離後,AF1は僧帽弁輪周囲のリエントリー(perimitral AFL)およびroof-dependent AFL,AF2はperimitral AFLが誘発された.それぞれmitral isthmus・roof,anterior lineへ線状焼灼を行い,通電中にAFLが停止した.その後,AF・AFLは誘発されなかった.両者とも初回PVI 時にSVCの催不整脈性を示唆する所見を認めなかった.PVI後の再発はPVの再伝導だけでなく新たに顕在化するSVCの催不整脈性への留意が必要と考えられる.
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