専門的口腔ケアを実施した入院高齢者の現状と課題
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概要
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歯科医師・歯科衛生士による専門的口腔ケアを必要としている入院患者の疾患,全身状態および注意事項の実態をリスク管理の視点から把握することは専門的口腔ケアを普及させる上できわめて重要である。専門的口腔ケアの必要性についての報告はあるが,専門的口腔ケアを必要とした入院患者の全身状態や,口腔ケアを施行する際に必要な全身管理については十分に明らかにされていない。本研究の目的は,医師より専門的口腔ケアの依頼を受けた入院患者の全身状態と問題点を明らかにすることである。対象は国立長寿医療研究センター病院に入院し,主治医より歯科口腔外科に専門的口腔ケアの依頼をされた患者 107 名(男性 55 名,女性 52 名,平均年齢 78.1±9.7 歳)である。評価項目は,依頼科,入院に至った疾患名,既往歴,認知症の有無,ADL,栄養状態,栄養経路,感染症の有無,意思疎通の可否と口腔ケアを施行する際の問題点である。評価の結果,専門的口腔ケアの対象者の疾患は多岐にわたり,専門的口腔ケアは高度な全身管理の知識と技術およびリスク管理を要する難しい処置と考えられた。専門的口腔ケアに携わる歯科医師・歯科衛生士は,他職種との連携を図り,全身状態を把握し,より安全に専門的口腔ケアを行うため,より一層の知識と技術の向上が必要であると考えられる。
- 一般社団法人 日本老年歯科医学会の論文
一般社団法人 日本老年歯科医学会 | 論文
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