施設に入所している要介護高齢者の問題点を抽出するテュートリアル演習の試み
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概要
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われわれは要介護高齢者施設に歯学部4年生を引率し, 要介護高齢者にインタビューや口腔内診査を行うことにより, 高齢者に対する理解を深め, 臨床上の問題点を抽出させるテュートリアル演習を行った。対象は, 2009年度岡山大学歯学部4年生58名である。学生は少人数グループ (6~7名) に分かれ, 施設見学前に担当患者の情報シート (年齢, 病歴, 職歴, 介護度, 口腔内所見, 食形態など) を用いて予習を行った。その後, 学生は施設に赴き, グループ単位で要介護高齢者や介護者に対してインタビューを行い, その高齢者に生じている医学的, 精神·社会的な問題を抽出した。この症例検討を起点とし, 高齢者の問題点を解決するための方策について, われわれは問題発見解決型テュートリアル演習 (少人数グループの学生により, 患者の問題点·解決策を各グループでディスカッションする演習) を行った。演習前後に, 臨床研究に関連した用語の理解度を聞く項目 (9項目), 要介護高齢者に関連した用語の理解度を聞く項目 (5項目), 臨床決断に不可欠な要素の理解度を聞く項目 (10項目) などに関して学生は自己評価アンケートに回答した。<BR>その結果, 臨床研究に関連した用語の理解度, 要介護高齢者に関連した用語の理解度, 臨床決断に不可欠な要素の理解度の全項目において, 演習後のスコアの上昇が認められた。
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一般社団法人 日本老年歯科医学会 | 論文
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