医師と看護師の協働に対する態度 : Jefferson Scale of Attitudes toward Physician–Nurse Collaboration 日本語版の開発と測定
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概要
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医師と看護師の協働推進のための教育やその評価には,医師と看護師双方の視点からの現状把握が必要である.本研究では,Jefferson Scale of Attitudes toward Physician-Nurse Collaboration(JSAPNC)の日本語版を作成し,医師と看護師の協働に対する態度について調査を実施した.1)4 府県 4 病院の医師 520 名,看護師 2,139 名を対象として自記式質問紙調査を実施した.本論文では,JSAPNC 全項目に回答した医師 265 名,看護師 1,629 名を解析対象とした.2)因子分析の結果,JSAPNC 日本語版は原版と異なる因子構造であったが,Cronbach のα信頼性係数は医師,看護師ともに総合得点で 0.79,下位尺度で 0.5 ~ 0.7 台であった.3)JSAPNC 得点は医師より看護師の方が有意に高かった.医師では尺度得点と個人属性の関連は認められず,看護師では年齢,経験年数,免許・資格の種類,職位,所属施設が関連していた.4)JSAPNC 日本語版は総合得点による諸外国との比較に利用可能であると判断された.本研究の尺度得点は海外の先行研究に比べ低く,専門職連携教育の普及やその評価の必要性が示唆された.5)医師の協働に対する態度に関連する要因は今後より詳細な調査が必要であり,看護師については,組織的要因の影響を合わせて検討していく必要がある.
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