女子医学生のライフデザイン展望とキャリア継続意識
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概要
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我々は(1)女子医学生は将来の妊娠出産や家庭生活に対し既に不安を持ち(2)人生設計においてこれらを強く意識し(3)学生時代から将来の離職を容認する者は仕事と家庭生活の両立に強い予期不安があるとの仮説を立て,女子医学生のライフデザイン展望とキャリア継続意識を調査し,キャリア支援構築に必要な医学教育について考察した.1) 2006年度に東京女子医科大学に在籍した全女子医学生を対象にライフデザイン展望とキャリア継続意識に関する任意無記名の質問紙調査を実施し(n=608,回収率75.3%),統計解析を行った.2)妊娠・出産や家庭生活への不安を持ちながらもほとんどの対象は結婚を志向し,79.3%(n=363)は挙子希望を示した.3) 対象は初期臨床研修を妊娠出産に優先し,計画出産を考えていた.産後の就労に関し,保育園を利用するとの回答が58.7%(n=269)であるのに対し,夫の育児休暇希望は26.4%(n=121)と低かった.4) 対象は離職容認群と離職非容認群に分かれ,χ二乗検定及び判別分析から,離職容認群は,より妻母役割を重要視し仕事と家庭の両立不安が高い群と分析できた.5) 医学教育における女性医師支援の肯定や両性へのワーク・ライフ・バランス教育の他,リプロダクティブ・ヘルス教育やメンター配備等主体性や自己コントロール感の育成への視点が望まれる.
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