臨床実習における学生の満足度に関連する因子の検討
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概要
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クリニカル・クラークシップ型の臨床実習が導入されるようになり,医学生の実習先は均一でなくなった.一方,実習先により実習内容が異なるため,満足な実習が受けられた実習先とそうでない実習先の存在が明らかになってきた.しかし,その満足度の差の原因が明らかでないため,自主的に医学生が満足度に関連する因子を定量的に調査した.1) 臨床実習を行った京都大学の5回生99人を対象に,実習先の満足度,実習内容 (5項目),責任者の熱意,指導スタッフの熱意について5段階評価で質問紙を配布し,84人から回答を得た.2) 実習の満足度に独立して関連する因子は,スタッフの熱意(β係数0.34),責任者の熱意(0.30),身体診察の頻度(0.09)であった.3) 不満(満足度1)と回答した34件の自由コメントを分析すると,「指導医との接触がほとんどなかった」が22件と最多であった.4)内科・外科や学内・学外病院の違い,実習先診療科の違いは,有意な因子ではなかった.5)学生の満足度が高い実習では,指導医の熱意があり,学生が常に指導をうけ,身体診察の機会が多いことが示唆された.
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