かゆみにより医療機関を受診した患者および市販薬を購入した患者の治療効果およびその満足度の比較―インターネットアンケート調査の結果から(第3報)―:―インターネットアンケート調査の結果から(第3報)―
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概要
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皮膚のかゆみに対して医療機関を受診して治療薬を処方された患者と市販薬を購入した患者の治療効果およびその満足度について比較検討するため,インターネットを介したアンケート調査を行った。医療機関では成人,小児ともに60%が内服薬を処方されており,そのうちおよそ60%が「効果あり」および「満足した」と回答した。外用薬は成人患者全体の80%,蕁麻疹患者の65%に処方されていた。蕁麻疹患者の85%が「外用薬の効果あり」と回答し,70%以上が「満足した」と回答した。蕁麻疹に対して外用薬は心理的および物理的に高い効果があると推察された。市販の内服薬または外用薬を購入する際に薬剤師から説明を受けた人は,それぞれ25,12%と少数であった。成人患者では市販の内服薬,外用薬ともに処方薬と同程度の効果および満足度であった。コンプライアンスに関しては,処方薬と市販薬の両方で内服薬は成人で60%程度と高かったが,外用薬は処方薬(成人39%),市販薬(成人26%)ともに低く,「かゆいときに外用する」傾向が認められた。蕁麻疹に外用薬を処方することは,その薬理学的機序とは関係なく,患者の満足度向上につながっている可能性がある。(皮膚の科学,9: 271-281, 2010)
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日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会 | 論文
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