輪ゴム絞扼が原因であった皮膚潰瘍の1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
89歳,女性。初診5ヶ月前に左下腿腫脹と熱感で近医受診し,抗生剤で軽快した。初診1ヶ月前に左足関節部に潰瘍がみられ,当院に紹介受診し,同部に全周性の線状肉芽組織を認めた。患者に認知症等はなかったが,症状の経緯聴取が困難であり,患者が靴下を輪ゴムでとめる習慣がある事等から,異物の残存を疑い MRI を撮影したところ,足関節皮下に異物遺残を疑う所見を認めた。治癒遅延する感染性肉芽を外科的切除したが,異物は確認できなかった。潰瘍が上皮化傾向となったため,経過観察していたところ,初診から8ヶ月後に輪ゴムが自然排出された。このような症例において,MRI 画像所見は有用で,経過観察に使用した方が良いと考える。(皮膚の科学,12: 343-347, 2013)
- 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会の論文
日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会 | 論文
- ―カラーライブラリー―巨大脂漏性角化症の1例
- 輪ゴム絞扼が原因であった皮膚潰瘍の1例
- In vivo共焦点レーザー顕微鏡を用いた扁平母斑に対するレーザー治療の効果検討
- 乳幼児アトピー性皮膚炎患者を対象とした低刺激性スキンケア製品(シャンプー,泡状洗浄料,乳液)の使用試験
- 1家系4世代にみられた色素失調症