敗血症治療中に発症したtoxic epidermal necrolysisの1例:単純血漿交換療法が著効した
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概要
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75歳,男性。既往歴に糖尿病と慢性閉塞性動脈硬化症がある。急性冠症候群,胆嚢炎,肝膿瘍にて入院中に心室細動を併発して心肺停止となり,CCUにて人工呼吸管理を受けていた。イミペネム・シラスタチン投与開始20日目に紅斑が出現したため同薬剤を中止し,メロペネム(MEPM)が開始された。その後も皮疹が拡大したため,MEPMを中止したが第7病日には全身の皮膚に広範囲にNikolsky現象を伴う浮腫性紅斑と水疱を認め,しかも皮膚生検によりextensive apoptosisによる表皮全層の壊死が認められたため中毒性表皮壊死症(toxic epidermal necrolysis;TEN)と診断した。第7病日からステロイドパルス療法を行ったが皮疹の軽快をみず,第11病日から単純血漿交換療法(Plasma exchange:PE)を2日間連日で施行したところ,2日目終了後より皮疹は著明な改善を認めた。本症例のようなハイリスクのTEN患者においても,ステロイドパルス療法で軽快をみない場合には早期のPEの施行が有用であると思われた。
- 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会の論文
日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会 | 論文
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