重症A群溶連菌性膿痂疹後にみられた溶連菌感染後反応性関節炎(Poststreptococcal reactive arthritis)の1例
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概要
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39歳,男性。重症アトピー性皮膚炎で当科を紹介され受診した。その数日後より手関節背側に小膿疱が多発し,39℃の発熱と全身の倦怠感や食欲低下,頚部痛も生じ, 緊急入院となった。入院時,両手の腫脹が著明で,両手背を中心に全身にびらんと痂皮が多発しており,肝機能障害や腎機能障害も認めた。 皮膚からの細菌培養によってA群溶連菌が陽性であったが,咽頭からの培養では陰性であった。重症A群溶連菌性膿痂疹と診断し,安静とFMOX投与により解熱し,全身症状も皮膚症状も速やかに改善したが,手指と手背の腫脹および関節可動域の制限が残存した。リウマチ熱の診断基準は満たさず,A群溶連菌感染後に続発した関節炎(poststreptococcal reactive arthritis:PSRA)と診断した。プレドニゾロン30mgの内服を開始したところ徐々に軽快した。溶連菌性咽頭炎後のPSRAは周知であるが,A群溶連菌性膿痂疹後のPSRAの報告はまれである。
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日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会 | 論文
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