内服PUVA療法が著効したリンパ腫様丘疹症の2例
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概要
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症例1:59歳,男性。初診の7ヵ月前より腋窩と鼠径部にそう痒を伴う皮疹が出現し,しだいにそう痒が増強してきた。近医にて加療されたが改善しないため当科を受診した。腋窩と鼠径部,臍部,乳輪部に浸潤を触れる褐色の丘疹と結節があり,生検にて真皮上中層を中心に下層にいたるまで血管周囲と附属器周囲に大型の異型リンパ球の浸潤を認めた。免疫染色にて大型の異型リンパ球はCD30が陽性であった。TCRの遺伝子再構成は認めず,HTLV-1は陰性であった。リンパ腫様丘疹症と診断し,入院の上内服PUVA療法を施行した。4J/cm2を14回照射したところ略治した。症例2:38歳,女性。14歳頃より右前腕に皮疹の出没を繰り返していた。20歳頃より症状が増悪し,初診の1年前に他院での皮膚生検にてリンパ腫様丘疹症と診断され,外用剤により加療されていたが軽快しないため,光線療法を目的に当科を紹介された。入院の上,内服PUVA療法を施行し,3J/cm2を8回,4J/cm2を20回照射したところ皮疹は略治した。内服PUVA療法は本症に有用な治療法と考えられる。
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日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会 | 論文
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