エクリン汗孔癌(eccrine porocarcinoma)の剖検例―経過中に血中SCC関連抗原の上昇を示した1例―
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概要
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73歳,男性。数年前より右大腿後面に紅斑が生じた。受診時,右鼠蹊リンパ節の腫脹と右下肢腫脹があった。全摘標本の病理組織では表皮内に汗孔腫細胞(poroma cell)からなる胞巣がみられ,一部に好酸性物質で裏打ちされた管腔構造も伴っていた。真皮浅層には異型を伴った細胞が不整に浸潤し,リンパ管侵襲も生じていた。FDG-PET-CTにて多発性のリンパ節転移がみられた。エクリン汗孔癌,pT1N1M1=stageIVと確定診断した。化学療法を施行したが治療抵抗性であり,腫瘍マーカーのSCC関連抗原も上昇して初診9ヵ月後に永眠した。病理解剖では多発性のリンパ節転移に加え,両側腎,両側肺,肝両葉,胆嚢,膵臓,脊椎,ダグラス窩に転移がみられた。
- 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会の論文
日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会 | 論文
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