疥癬患者における血清IgE値の検討
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概要
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当院外来で診察した疥癬患者23例において血清IgE値を測定したところ,正常値群11例と異常高値群12例との間で疥癬検出時の皮疹の重症度に大きな差はなかったにもかかわらず,異常高値群では診断確定までに長い時間を要したことが判明した。血清IgEが湿疹病変を生じやすい,いわゆるアトピー体質を反映していると仮定すると,血清IgE高値の患者は,少ないダニにより症状が発現しているため診断が困難である,という可能性が示唆された。感染症の皮膚症状は一般に宿主と寄生体の相互作用により成立するといわれており,疥癬においても,臨床症状の発現がダニの数のみならず患者自身の体質に負うところが大きいと考えられた。
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日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会 | 論文
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