無痛性下肢潰瘍が診断の契機になったフィリピン女性のハンセン病の1例
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概要
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35歳,女性。フィリピン,ミンダナオ島出身。初診の1ヶ月前から右下腿に潰瘍が生じ治癒しないため近医を受診した。通院加療したが難治であるため精査加療目的に当院へ紹介された。受診時,右上下肢の痛覚の低下および背部に類円形の脱色素斑を多数認めた。ハンセン病を疑い,病理組織学的に検索したところ神経組織や汗腺,毛包周囲への組織球,リンパ球を主体とする炎症細胞浸潤を認め,Fite染色にて抗酸菌が認められた。またPCR法にてらい菌特異的な塩基配列を検出し,ハンセン病と診断した。診断確定後,WHOの推奨する3剤併用療法を開始した。らい反応と薬剤による副作用により治療に難渋しながら外来にて経過観察している。
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日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会 | 論文
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