I型クリオグロブリン血症の1例―Monoclonal gammopathy of undetermined significance(MGUS)に関連したと思われる1例―
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概要
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発症後,16年間経過したI型クリオグロブリン血症を経験した。68歳,女性。平成3年より,顔面,手足などに浸潤を触れる紫斑や潰瘍が出現するようになり,症状は冬期に増悪した。血清から単クローン性のIgG‐κ型クリオグリブリンを検出し,病理組織では真皮の血管内に好酸性の無構造物質による閉塞像を認めた。腎臓,神経障害などの内臓病変はなく,多発性骨髄腫などの基礎疾患もないため,MGUSに関連したI型クリオグロブリン血症と診断した。診断確定後は抗血小板剤,副腎皮質ホルモン剤などの内服を併用して経過良好であったが,平成19年4月頃より皮膚症状が急速に悪化した。精査の結果,クリオグロブリン血症自体の悪化ではなく痴呆様症状の進行が症状の発現にかかわっていると考えられた。
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日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会 | 論文
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