棘融解を認めたゲフィチニブ(イレッサ)による薬疹の1例
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概要
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72歳,女性。2005年11月,肺腺癌にてゲフィチニブ(イレッサ<SUP>®</SUP>)250mg/日の内服を開始した。7ヵ月後,両下肢の紫斑と膿疱が多発し,当科に入院となった。病理組織学的に真皮浅層の血管,汗管周囲に炎症性の細胞浸潤と赤血球血管外漏出,核破砕像を認めた。それに加えて,エクリン汗管の表皮側末端と連続した角層下膿疱の底面に棘融解細胞を認めた。ゲフィチニブの投与を中止し,皮疹は消退した。退院後,同剤の投与再開により皮疹は再燃したが,吉草酸ベタメタゾン外用が奏功した。臨床的に紫斑・膿疱を呈し,病理組織上,汗管と連続した膿疱内に棘融解の見られたゲフィチニブの薬疹の報告例は少なく,考察を加え報告した。
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日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会 | 論文
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