ヘリコプター緊急搬送で救命しえた左腋窩に生じた壊死性筋膜炎の1例
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概要
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37歳,男性。糖尿病などの易感染状態はないが,たびたび両腋窩の細菌性リンパ節炎を起こしていた。2007年6月,左腋窩の腫脹,疼痛及び発熱が出現した。翌日,上記の症状に加え左側胸部へ激しい疼痛を伴う淡い紅斑が拡大してきたため,当院皮膚科を受診した。初診時,左腋窩から左側胸部にかけて発赤腫張があり,左腋窩リンパ節の腫張,疼痛も認めた。血液検査で白血球,CRP,CKの著明な上昇を認め,壊死性筋膜炎を疑い同日深夜,全身麻酔下にデブリードマンを施行した。血液培養,壊死組織培養,膿汁培養ともにA群溶連菌が検出され起炎菌と考えた。術後,呼吸不全,循環不全,播種状血管内凝固症候群,呼吸不全の重篤な状況に陥ったため,初診日翌日にヘリコプターで京都府立医科大学附属病院皮膚科へ緊急搬送した。再度のデブリードマンで救命しえた。
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日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会 | 論文
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