ステロイドの全身投与が奏効した難治性胃潰瘍と皮膚肉芽腫様病変の合併例
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概要
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63歳,女性。1993年頃より胃潰瘍で各種抗潰瘍治療を内科にて受けていたが難治性であった。ヘリコバクター陰性,糖尿病には罹患していない。<BR>1992年頃より両下腿伸側に辺縁が隆起し,自覚症状がなく光沢を伴う紅斑局面が出現し,放置していたが,病変が拡大したため,1999年他病院で皮膚生検を受けたが確診にいたらず,ステロイド外用とトラニラスト内服にて経過観察するも軽快をみなかった。2001年,再度当院を受診,左下腿に直径5cm,右に直径15cm程度の紅斑局面を認め,生検にて真皮に非乾酪壊死性類上皮細胞肉芽腫性変化を認め,散在性にLanghans型巨細胞,一部にアステロイド小体を有していた。臨床像と総合して,リポイド類壊死症が考えられた。皮膚症状の増悪をみたため,ステロイド剤の内服を開始したところ,皮膚症状は著明に改善し,同時に胃潰瘍も治癒した。胃潰瘍病変の生検病理所見では肉芽腫性変化を認めなかった。ステロイド剤に対する両病変の反応性から,今後,サルコイドーシスとの鑑別が最も考慮されるべきと考えられた。
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日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会 | 論文
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